恥骨結合炎の治療とは?
ここでは、「恥骨結合炎の治療」
についてお話します。
恥骨結合炎という病気をご存知ですか?
今回は恥骨結合炎の治療に
ついて詳しく紹介します。
恥骨結合炎とは、
骨盤を形成する骨の
一つである恥骨の
結合部分、恥骨結合に起きる
炎症のことです。
この症状に関しては
「恥骨結合炎 症状」
でもご紹介しました。
恥骨結合炎の治療とは?
恥骨結合炎の治療は、発症してから
どれくらい経っているかによって
少しずつ内容が異なってきます。
発症半年以内の治療と恥骨結合炎を
繰り返しており、長期的に
療養している場合に分けて紹介します。
・発症半年以内の場合の治療
恥骨結合炎が発症してすぐの場合には
基本的に保存療法が選択されます。
痛みの強さによりますが、
強い痛みがある場合には
2〜3週間スポーツが禁止に
なることがあります。
また、恥骨部分のみ安静にする
場合にはボールをけるなどの
一定の動作のみが
禁止になる場合もあります。
炎症を起こしている部位が熱を
持っている場合には冷やしたり、
温めたほうが痛みが治まる場合には
ホットパックなどを利用した
温熱療法を行います。
また、消炎鎮痛剤の投与や
ステロイドを使った治療を
行うこともあります。
痛みのコントロールをしながら、
少しずつリハビリも行います。
恥骨結合炎では痛みがあるために
股関節の可動域が狭くなってしまうので、
関節が硬くならないように、
股関節を無理なく動かす
リハビリを行います。
安静にしていることによる
筋力低下の防止のための
筋肉トレーニング、
水中歩行やエアロバイクを
使用した訓練を経て、
歩いたり走ったりする動作を練習します。
痛みが消失しても炎症が完全に
治ったわけではありません。
無理して早期にスポーツを開始すると、
恥骨結合炎は繰り返しやすい症状のため、
すぐに再発してしまいます。
医師やリハビリスタッフと
よく相談して十分な
リハビリテーションを行った後、
少しずつ体を慣らしてから運動を
再開することとなります。
保存的治療の場合、入院は
必要ないことがほとんどです。
ですが、日常生活動作で恥骨に
負担がかかるのを避けるため、
日常生活でもさまざまな
動作制限があります。
重いものを持ったり、
長距離の歩行は
避けなければなりません。
・恥骨結合炎を繰り返しており、
痛みがなかなか消失しない場合
恥骨結合炎は繰り返しやすく、
恥骨部分がどんどん弱くなって
しまうことがあります。
その場合、保存的療法で経過を
見続けても改善の見込みがない
場合があります。
長期間痛みが消失しない場合には
手術をしなければなりません。
手術、と一言にいっても
恥骨結合炎の治療のための手術は
何種類もあります。
恥骨につながっている薄筋という
筋肉の腱を切離する方法、
はがれた骨片を摘出する方法、
恥骨結合の固定術、筋肉内の血腫除去、
ヘルニア修復術など、
恥骨結合炎の主病変を特定して
原因に対処していきます。
手術をする場合には入院が必要です。
手術を行うと、術後に手術創に
感染がないか経過をみるためと、
リハビリテーションのための
入院が必要になります。
ですが、手術で恥骨結合炎の
原因となる病変に対処しているので、
リハビリは保存療法
よりも順調に進むことが多いです。
恥骨結合炎を患うと、日常生活に
様々な制限がかかります。
スポーツをしている方や、
仕事がなかなか休めない方は
「早く復帰しなくては」
と焦ることもあると思いますが、
再発を防ぐためには
初期にきちんと治療することが重要です。
医師やリハビリスタッフと
相談しながらしっかりと治療していきましょう。