恥骨結合の上縁とは?
ここでは、「恥骨結合の上縁」
についてお話します。
骨盤を形成する骨の一つである恥骨は、
左右に分かれており、その左右の恥骨を
くっつけている軟骨部分を
恥骨結合と呼びます。
恥骨結合は、妊婦さんや
産褥婦さんにとっては赤ちゃんの
成長を知ったり、
産後の子宮がどれほど
もとに戻っているかということを
知るための指標になります。
今回は恥骨結合の上縁が
どのような指標になるのか、
詳しく紹介していきます。
恥骨結合の上縁とはどの部分なのか?
恥骨結合とは、おへそのあたりから
下へたどっていくと股のちょうど
上のほうに触れる硬い骨です。
その骨の上縁を恥骨結合上縁とよびます。
恥骨結合上縁はどのような指標になるの?
・妊婦さんの場合
妊婦さんの子宮のふくらみ、
つまりは赤ちゃんの発育状態や
羊水の量を知るための指標として、
「子宮底長」
という指標があります。
子宮底長はだいたいお腹が
大きくなってくる妊娠中期
(16週から27週まで)
から妊婦検診で測定します。
子宮底長はあおむけに寝た状態で、
恥骨結合の上縁から、
おへその方向に向かって指で
たどっていったときに子宮の
一番高い部分までの長さを測定します。
子宮の一番高い部分を過ぎると、
子宮の硬さに触れなくなるので、
子宮に触れなくなった部分を
子宮の最高点として測定します。
昔は子宮底長だけで羊水の量や
赤ちゃんの発育状況を
判断していましたが、
今ではエコーなどを使っ
て確認するため、あくまで子宮底長は
目安ということになります。
しかし、だいたいどこの病院でも
子宮底長は測定しています。
妊娠週数ごとの子宮底長の
目安は以下の通りです。
妊娠12から19週未満
…妊娠月数×3cm
妊娠20週以降
…妊娠月数×3cm+3cm
妊娠20週以降は赤ちゃんの
成長速度が速くなり、
羊水の量も増えていきますので、
月数×3cm+3cmという
計算式になります。
・産褥婦さんの場合
赤ちゃんを産んだ後の
産褥婦さんの子宮は、
産後少しずつもとの
大きさに戻っていきます。
子宮がもとに戻っていくことを
専門用語では
「子宮復古」
というのですが、だいたい出産してから
6週間で子宮はもとの大きさに、
約8週間で妊娠前の重さ、
子宮内膜の状態に戻っていきます。
しかし、羊水が多すぎたり、分娩時に
子宮の筋肉が伸展しすぎたり、
陣痛が弱かったり、難産や
大量出血があった場合には、
この子宮復古が
遅れてしまうことがあります。
子宮復古が遅れると子宮内に感染を
起こしてしまうなどのリスクがあるため、
子宮復古が遅れないように、
子宮底長を測定したり、
子宮の硬さを確認したりして
子宮復古の状態を観察します。
産褥婦さんの子宮底長の測り方は、
おへそを基準にして、子宮底が
どこにあるかという測定をします。
分娩直後
…おへその5〜6センチ下
分娩24時間後
…おへその位置
産後3日目
…分娩直後と同じくらい
産後4日目
…おへそと恥骨結合の間
産後4〜6日目
…恥骨結合の2〜3cm上
産後8〜9日目
…恥骨の高さ
その後は骨盤の中に入り込むので
体外から子宮は触れなくなります。
妊婦さんや産婦さんにとって、
恥骨結合は赤ちゃんの発育や、
産後の体の状態を知るために
必要な指標になります。
病院で
「恥骨結合上縁」
と突然聞いても
ピンとこない方が
ほとんどだと思いますので、
ぜひ参考にしていただければと思います。
・・・というわけで、
あなたもこのカテゴリーの記事を読んで
恥骨の「結合」関係について、
お勉強しましょうね!
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