恥骨にしこりが出来た時とは?
ここでは、「恥骨にしこりが出来た時」
についてお話します。
恥骨は、おへそから下に向かって
股の上辺りにある骨です。
骨盤の一番下に位置する骨で、
普段はあまり気にしない部分です。
そんな恥骨やその付近にしこりを
発見すると、
「もしかしたら何か病気なのかも?」
と不安になりますよね。
しかし、場所が場所なので
中々人に聞きにくいです。
病院に行くべきかどうか、
迷ってしまうかもしれません。
そこで今回は、恥骨の
しこりについて紹介します。
鼠径ヘルニア
鼠径ヘルニアとは、いわゆる
「脱腸」
の事を言います。
子供に多いイメージがありますが、
実は大人の方がずっと多い病気です。
症状としては、最初は太ももの
付け根から恥骨部辺りに、
ポコっとしこりのような膨らみが
出現します。
これは内臓を保護する腸膜や
腸の一部が飛び出してきたものです。
大きさは、ごく小さいものから
ピンポン球や卵くらいの物まであり、
人それぞれです。
押したり体勢を変えたりすると
引っ込んでしまうので、
気になるけれど放置してしまう
方が多いです。
放置してしまうと、徐々に大きく
膨らんできたり、引きつるような
痛みが生じてくる事もあります。
さらに放置してしまうと、
「嵌頓(かんとん)」
という状態になります。
ここまで来ると、手で押しても
引っ込まなくなり、歩けないほどの
痛みを感じます。
また、飛び出した腸が詰まって
「腸閉塞」になったり、
「腹膜炎」を起こしたりします。
命に関わるほど危険な
状態となってしまうのです。
初期の段階で、放置せず
すぐに病院を受診する事が
大切となるのです。
外陰脂肪腫
外陰脂肪腫は、デリケートゾーンから
恥骨部に発生する良性の腫瘍の事です。
そもそも脂肪腫とは、全身どこにでも
できる可能性のあるもので、
脂肪でできた塊です。
比較的、男性よりも脂肪の多い
女性にできやすく、首や肩、
背中などに発生します。
まれに悪性のものもあり、
脂肪肉腫と呼ばれます。
全体の2%と少ないですが、
転移する恐れがあるので
すぐに手術が必要です。
症状としては、最初は小さなもので
あっても徐々に大きくなる事があります。
1センチ未満の小さな脂肪腫は、
痛みも痒みもなく肌も
突っ張らないので気がつかない事も
多いです。
1センチを超えたあたりから、
少しずつ痒みや違和感、
痛みを感じ始める人が多いです。
脂肪腫は、小さくて無症状の場合は
放置しても自然治癒する事が多く、
特に心配はいりません。
しかし大きくなって症状が出てきた場合、
不快に感じるようになった場合は、
医師に相談して取り除いて
貰う必要があります。
外陰脂肪腫は、皮膚科や整形外科
でも診察してもらえますが、
女性の場合は婦人科で
診て貰うのが安心でしょう。
手術は、切開して中の脂肪を
出すだけのもので、局所麻酔で
痛みもなく、日帰りでできて
保険もきくので安心です。
ただし、術後も再発する可能性が
あるので、きちんと通院して
経過観察を行いましょう。
細菌感染によるもの
恥骨にできるしこりで、
細菌感染による「毛嚢炎」や
「バルトリン腺嚢腫」です。
両方とも痒みや痛みを伴う、
ニキビのようなしこりが
できるのが特徴です。
初期の小さなものは、
放置をても自然治癒してしまうことが
多いので問題ありません。
しかし、悪化してしまった場合は、
病院で切開して膿を出してもらう処置や、
抗生剤での治療が必要となります。
このように、恥骨部のしこりは
ほとんどの場合は心配ありません。
しかし、不安な場合は病院で相談したり、
検査をしたりしましょうね。
また、ごく稀に怖い病気が
潜んでいる場合もあるので、
一度は診察を受けると安心でしょう。