恥骨が痛い病気とは?
ここでは、「恥骨が痛い病気」
についてお話します。
原因はわからないけれど、
恥骨のあたりが痛いという症状に
お困りの方はいらっしゃいますか?
恥骨は骨盤を形成する骨であり、
長距離の歩行や
スポーツなどの激しい運動で
負担がかかりやすい骨です。
また、恥骨の内部には様々な臓器が
あるため、内臓の病気でも
まれに恥骨痛が発生することがあります。
恥骨に痛みを感じる原因は
外因的な要因、内因的な要因の
両方の観点からみると様々です。
今回は恥骨のあたりに痛みを感じる
ことがある病気について紹介していきます。
恥骨が痛くなる病気には
どのようなものがあるのか?
・恥骨骨折
恥骨骨折は他項でも
紹介したことがありますが、
恥骨が交通事故などによる外傷や
骨粗しょう症などの原因によって
折れることをさします。
歩けなくなるほどの
痛みを感じることもあります。
骨折の程度により治療方法や期間は
変わりますが
整形外科で治療が行われます。
・恥骨結合炎
恥骨結合炎とは恥骨結合に
炎症が起こっている状態を指します。
炎症によって強い痛みを感じます。
恥骨骨折と同じく、
整形外科での治療となります。
・尿路関連疾患
恥骨の内側には膀胱があります。
膀胱や尿道に何らかの異常をきたす
尿路関連疾患にかかっている場合にも
恥骨痛が発生することがあります。
例えば、尿路狭窄などがあり、
尿がうまく外に排尿されずに
膀胱に貯留してしまい、
恥骨を圧迫していたり、
日頃から排尿を我慢してしまう癖の
ある方の場合、膀胱炎が考えられます。
一日の排尿回数が少なかったり
尿の性状がいつもとは異なる場合には
尿路関連疾患が疑われますので
泌尿器科を受診しましょう。
・鼠経ヘルニア
鼠経ヘルニアは脱腸と呼ばれることもあり、
鼠経ヘルニアになると
長時間立っているのが苦痛になったり、
ヘルニア部分に痛みが出てきます。
鼠経ヘルニアの治療は外科的手術です。
手術をすれば術後は経過良好な場合が多く
日帰り手術ができるところもあります。
・脂肪腫
脂肪腫とは皮膚の内側に
触れる脂肪の塊です。
ほとんどの場合痛みはありませんが、
稀に触ると痛みを伴うこともあります。
痛みがない場合には放置しておいても
特に健康に支障はありません。
場所的に触れることが多く
痛みを感じる場合や
化膿してしまった場合、
見かけが気になる場合は
切除が必要になります。
脂肪腫の切除は美容整形外科で可能です。
・生理痛の1種
生理が近づくと恥骨が痛くなる場合には
生理痛のようなメカニズムで
恥骨に痛みが生じていることが
考えられます。
生理の時に増加する
女性ホルモンのプロスタグランジンは
痛みに対して敏感になるという
作用があります。
そのため生理の時に
恥骨痛が発生することがあります。
あまりにも症状がひどい場合には
婦人科を受診しましょう。
・卵巣腫瘍
卵巣にできる腫瘍で恥骨に痛みが
発生することがあります。
卵巣腫瘍はほとんどが良性腫瘍ですが、
稀に悪性の腫瘍の場合があります。
初期症状はほとんどなく
頻尿になったときや
健康診断で偶然発見されることが多いです。
婦人科で治療します。
恥骨が痛くなる病気は様々ですが、
恥骨は歩くときに衝撃を吸収する
役割を持っており、痛みがあると
日常生活に支障をきたします。
放置せずにできるだけ早く治療しましょう。