恥骨骨折の後遺症はあるの?
ここでは、「恥骨骨折の後遺症はあるのか」
についてお話します。
恥骨は骨粗鬆症の高齢者が
転倒したり、出産などの影響で
簡単に骨折してしまうことがあります。
また、交通事故や激しいスポーツ
などの外的接触などにより
骨折の他に周辺の関節、筋肉、
神経などが損傷したり
臓器が破損することもあります。
恥骨はいくつかの骨が
組み合わさって出来ている
骨盤の一部です。
もしも恥骨を骨折した場合には
周辺の骨盤を巻き込んで
損傷している可能性もあり、
骨盤の折れた箇所によって
重症度が異なります。
このような骨盤骨折は
折れた場所によって
「安定型」と「不安定型」という
大きく二つに分類されますが、
症状や治療法、後遺症の
度合いなどもそれぞれ変わってきます。
安定型と不安定型
骨盤の中でも腸骨翼骨折、恥骨骨折、
坐骨骨折は「安定型」に分類されます。
比較的直接的な負荷が
かかりにくく負担が
少なく済むからです。
「安定型」はほとんどの場合、
障害が残らずに治癒します。
一方、腸骨骨折、仙骨骨折、
仙腸関節離開は「不安定型」
に分類されます。
構造上、負荷がかかりやすい
場所ですので、骨折部分がずれて
しまう恐れがあるからです。
また周辺には神経や動脈などの
重要な組織があり、大量出血
などにも注意が必要です。
症状や治療法
恥骨骨折を含む骨盤骨折の
主な症状について紹介します。
まずは「痛み」です。
押すと痛い、歩くと痛い…、
など程度に差はありますが
なんとなく感じる痛みから
耐え難いほどの激痛まで様々です。
そして骨盤周囲には重要な
組織がたくさんあるので、
注意が必要なのは出血による
「ショック状態」
や神経に影響がでてしまう
ことによる
「神経障害」
「排尿障害」
などといった症状です。
治療法については、
まず第一に出血や臓器の
損傷などを確認して止血を
行い、必要な治療を行います。
そして「安定型」の骨折は主に
「保存療法」で経過観察し、
「不安定型」については
「手術」を行います。
その後は安定型も不安定型も
リハビリが開始されます。
後遺症について
基本的に恥骨骨折のみの場合など、
「安定型」の骨折はほとんど
後遺症もないことが多いです。
しかし「不安定型」の骨折の場合、
内臓や神経の損傷具合によって
下肢の痛み、腰痛、膀胱直腸障害
などの後遺症が残る可能性もあります。
酷い場合には歩行障害に
なってしまうこともあります。
骨盤の中には生殖器がありますので、
女性の場合は子宮や膣の障害、
男性の場合は勃起不全などの
障害があらわれることもあります。
長期的なリハビリで
改善されることもありますので、
詳しくはかかりつけの
専門医に相談しましょう。
このように、恥骨骨折による後遺症が
出ることは少ないと言えますが、
周囲の臓器は、妊娠に関わりますので
「不妊」
が心配な時は、産婦人科を受診して下さいね!