恥骨骨折の看護とは?
ここでは、「恥骨骨折の看護」
についてお話します。
恥骨骨折の患者さんに対しては
どのような看護計画で看護を
行っていけばよいのでしょうか?
今回は恥骨骨折の
看護計画について紹介していきます。
恥骨骨折の看護問題とは?
恥骨骨折は骨盤骨折の中では
安定型に分類されます。
骨盤骨折の中では最も多いとされる
恥骨骨折ですが、症状は
骨盤骨折の中でも比較的軽く、
比較的早期に退院することが可能です。
恥骨骨折を起こすと、強い痛みと
安静治療のため、日常生活動作が
一人で行えなくなること、
また強い痛みによる苦痛があることが
看護問題としてあげられます。
また、安静治療や日常生活動作が
行えないことへのストレスも
看護問題としては考えられるので、
精神面のアプローチも
非常に重要になります。
恥骨骨折の患者目標は?
恥骨骨折の患者さんの患者目標としては、
決められた安静度を守ることができる、
日常生活動作の自立、治療に対する
ストレス緩和ができる、
疼痛コントロールができる、
などが考えられます。
ただ、日常生活動作の自立という
目標では漠然としすぎているので、
患者さんの治療段階や安静度に合わせて、
初めのうちは歯磨きや洗面などの
整容動作を自立して行うことができる、
などベッド上でも状態の改善によって
段階的に達成できる目標を立てること、
評価できる目標を立てることが
ポイントになります。
恥骨骨折の看護・観察のポイント
・受傷直後
恥骨骨折の原因として一番多いのは
交通事故や転倒などの外傷です。
外傷による骨折の場合には、
周囲の重要な血管が
損傷している可能性も考慮して、
出血性ショックの出現に
注意する必要があります。
血圧、脈拍の変動や血尿・尿閉
尿道損傷や膀胱損傷、
腹痛や腹部膨満感
などの出現に注意しましょう。
・療養環境に注意
恥骨骨折の初期は安静治療が
基本になりますので、
排泄は尿器や差し込み便器を
使用することになります。
プライバシーへの配慮や、
排泄物の片付けに気を配りましょう。
また、治療上マットレスは
硬いものを使用しますので、
医師に確認して円座や
クッションなどを使い、
仙骨部位などの褥瘡好発部位に
皮膚トラブルが
起きないようにしましょう。
・日常生活動作の獲得
恥骨骨折の患者は
日常生活動作が制限されます。
リハビリの進行状況や治療状況に
合わせたADLの拡大ができるように
看護計画の評価・修正を定期的に行い、
患者ができない部分のみを
介助していくこと、
できる動作、難しい動作について
患者自身ともよく話して
情報収集することでできるだけ
早期に自立できるように援助しましょう。
恥骨骨折の患者は、
受傷前まで日常生活動作のほとんどを
自立していた患者が多く、
受傷後のストレスは
かなり大きいと予測されます。
患者とのコミュニケーションを大切にし、
心にしっかりと寄り添う看護が
できるよう信頼関係を
作っていくことも非常に大切です。
患者さんが元気に退院できるように、
心のこもったケアを行っていきましょう。