恥骨骨折が出産の時とはどうなるの?
ここでは、「恥骨骨折が出産の時とはどうなるのか」
についてお話します。
出産で恥骨を骨折して
しまうことがあるって
知ってましたか?
原因は赤ちゃんが巨大児であったり、
頭が大きかったり、
お母さんの骨盤が小さかったり、
お産が長引いたり…
様々です。
また、恥骨骨折に似たような
「恥骨結合解離」
という状態になって
しまうこともあります。
どちらも出産後に横になっても
立っていても歩くのさえ
困難なほどの痛みがあります。
出産による恥骨骨折や
恥骨結合解離について
恥骨は繊維と軟骨からできている
骨盤の一部で、左右の骨盤を
前側の部分で繋ぐ役割があります。
妊娠をすると、
「リラキシン」
という女性ホルモンの
影響によってこの
恥骨結合部も緩みます。
これは赤ちゃんが出産のときに
産道を通りやすくするための
メカニズムなのですが、
中には出産の衝撃によって
骨盤輪が開きすぎてしまって
恥骨結合部が離れて
しまうことがあります。
これを
「恥骨結合解離」
といいます。
このときに恥骨が折れてしまうと
「恥骨骨折」
になりますが、どちらも
耐え難いほどの激痛があらわれます。
主に恥骨部、下腹部、腰、会陰、
足などに痛みがあらわれます。
また、歩けない、立ち上がりや
起き上がりに激痛、
痛くて寝返りがうてない、
階段の昇り降りができない、
触ると激痛、
トイレが激痛…
などといった明らかに
日常生活に支障を
きたすような症状がでます。
治療や対処法は?
診断はレントゲンやCT検査
などによる画像診断がなされます。
治療については、恥骨の骨折や
恥骨結合解離はほとんどの場合
保存療法が選択されます。
具体的には骨盤ベルトや
コルセットなどでしっかり圧迫固定して、
あとはひたすら安静にするしかありません。
症状によって異なりますが、
だいたい2〜6週間程度安静にして、
その後から徐々にリハビリが
開始されることが多いです。
日常生活で
気をつけなければいけない点は、
なるべく足腰に負担をかけない、
股を広げない、重い物を持たない、
長時間立ったり歩いたりしない、
寝るときは膝を曲げて膝の間に
クッションなどを挟む…
などです。
また特に気をつけなければならないのが、
怪我の状態も重要ですが、
軽視されがちな産後の
お母さんのメンタルケアです。
産後はただでさえ
ホルモンバランスが崩れており、
精神的に不安定なところに
慣れない赤ちゃんのお世話や
つらい恥骨の痛みに
対処しなければなりません。
痛みで思うように赤ちゃんの
お世話ができなかったり、
家族に迷惑をかけていることに
対する焦りや焦燥感が
でてしまうことがあります。
しかしあまり思い詰めると
今度は産後うつを併発してしまうことに
なりかねませんから、まずは
今できることだけに集中しましょう。
気になる症状がある場合には、
すぐに産婦人科や整形外科を
受診して相談してみましょう。