恥骨骨折の安静期間とは?
ここでは、「恥骨骨折の安静期間」
についてお話します。
歩くときに体を支える役割をもつ
骨盤の前面にある恥骨は
日常生活動作には欠かせない大切な骨です。
恥骨を骨折してしまうと
整形外科での治療が必要になります。
骨折の程度や、合併する
症状の有無などにより
治療の内容や期間が大きく異なる
というお話は、
でも、ご紹介しました。
今回は恥骨を骨折した場合の治療において
安静期間はどれくらいになるのか
ご紹介します。
恥骨骨折の安静期間とは?
今回は、恥骨のみを骨折した場合と
骨盤の他の部位も骨折している場合に
分けて安静期間のお話をします。
・恥骨のみの骨折の場合
恥骨のみの骨折の場合には、
ベッド上での安静治療は1〜2週間です。
恥骨のみ骨折している場合には
手術をしないことが多いため
他の部分も骨折して
手術をした場合と比べて
安静期間は少し長くなります。
安静期間中はベッド上での生活になるため
基本的には入院治療となります。
安静期間は骨がある程度くっつくまで
続きますので、年齢や性別、
骨折の程度によっても差がでます。
安静期間中は歩行は控えなければいけないので
車いすを利用してトイレに行ったり、
痛みが強い場合には
尿道留置カテーテルといって
尿道に尿を排出するための管を
留置することがあります。
ベッド上で安静にすることによって
骨はくっつきますが、他の臓器の
働きが鈍くなってしまう場合があります。
消化管の動きが鈍くなり、
便秘になりやすくなります。
そのため、できる限り安静期間は
短くできるように
医師やリハビリスタッフが
検査結果などをみながら
安静期間を調節していきます。
・恥骨だけではなく骨盤の
他の部位も骨折している場合
恥骨だけではなく、
他の骨にも骨折が見られる場合、
手術で治療をすることがあります。
恥骨以外の骨にも骨折が見られる場合、
骨盤の安定性は失われ、
血管が傷ついて出血が多いことがあります。
その場合には出血性ショックといって
出血量が多いことによるショック症状が
起きることがあります。
手術をする目的は
骨盤を安定化させるためと
傷ついた血管を修復して止血するためです。
骨盤が安定しても
血圧が安定するまでは、
安静保持が必要です。
具体的にどれくらいの期間とは
お伝えできないくらい
個人差があります。
出血が少なく、早い段階で血圧が安定すれば
安静期間は短いですが、
出血量が多く血圧が不安定な場合には
安静期間が延びることがあります。
恥骨以外にも骨が折れている場合の
安静期間は、骨盤の安定のため
というよりは、
血圧や全身状態の安定のための
安静と言えるでしょう。
それほど骨盤の骨折は
重大な外傷であり、
命にかかわることもある
危険な外傷と言えます。
ですが、手術によって骨盤は安定しているので
血圧が安定していれば
比較的保存療法の場合よりも
早く歩くことができます。
恥骨骨折の安静期間は骨がくっつくために
必要な安静期間です。
治療方針や全身状態によって
安静期間は調整されます。
早く治すためには
医師やリハビリスタッフの指示する
安静度を守り、
無理のない療養生活を送ることが必要です。
また、ある程度の痛みは鎮痛薬によって
抑えることができる場合が多いです。
ずっと安静にしているのは
回復を遅らせてしまいます。
自分の体の状態を見極め、
自分のペースで治療していきましょう。