恥骨下枝疲労骨折の時とは?
ここでは、「恥骨下枝疲労骨折の時」
についてお話します。
ランニングを日課としている
女性ランナーが、ある日突然
走り出した瞬間、股関節あたりに
「痛い…!」
と感じることがあります。
また、これらはランニングに
限らずサッカーや陸上競技、
その他何かスポーツをしている
人には誰でも起きる
可能性のある症状です。
原因は
「恥骨下枝疲労骨折」
かもしれません…。
恥骨下枝疲労骨折とは?
恥骨下枝疲労骨折とはいわゆる
「グロインペイン症候群」
の一種で、スポーツなどによって
恥骨を含む骨盤部に多大な
負荷がかかることで
引き起こされる症状です。
よくサッカー選手の職業病
として知られています。
ランニングなどのスポーツによって
骨盤に繰り返しストレスがかかり、
恥骨下枝が疲労骨折してしまいます。
痛みは、内股や下腹部にまで
放散痛が広がるのが特徴で、
安静にしていると和らぎますが、
動き出すとまた痛みが生じます。
恥骨下枝疲労骨折の原因は?
人間の骨盤はいくつかの骨が
組み合わさって出来ているもの
ですので、
少しでもバランスが
崩れた状態で負荷がかかり続けると
炎症が起きたり疲労骨折が
生じてしまいます。
・筋肉や関節の柔軟性が関係する「可動性」
・骨盤を支える筋肉が関係する「安定性」
・体幹と下枝の動きがうまく
連動しているかどうかが関係する
「協調性」
といった3つのポイントの
バランスが崩れてしまうと、
ケガを引き起こし、
恥骨下枝疲労骨折や
恥骨結合炎などといった
グロインペイン症候群が
生じる原因となってしまいます。
恥骨下枝疲労骨折に関しては、
恥骨下枝に付随する大内転筋と
大臀筋の股関節に対する
外旋作用のバランスが
崩れて生じています。
特に内股の女性は大内転筋と
大臀筋のバランスが崩れやすく、
さらにダイエット中の骨密度が
低下している女性などは疲労骨折を
起こしやすい傾向にあります。
治療法について
検査では、レントゲンだと
わかりにくいこともありますので
「骨シンチグラフィー」
や
「MRI」
が有効です。
基本的には痛みがなくなるまで
スポーツを中止してひたすら
安静にします。
症状によって異なりますが、
だいたい2〜6週間程度かかるようです。
こういった恥骨下枝疲労骨折を含む
グロインペイン症候群は
再発しやすいものです。
安静期間が過ぎたら積極的に
リハビリを行うのが効果的です。
再発を防止する意味でも特に
「可動性」「安定性」「協調性」
の問題点を修正するための
「アスレティックリハビリテーション」
を行うのが良いでしょう。
具体的には
「筋肉の拘縮に対するマッサージ」
「筋力低下を改善するための筋力訓練」
「股関節に負担が生じないように
するための協調訓練」
などです。
詳しくは医師や理学療法士の
指示に従いましょう。